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2021年12月30日 木曜日
朝ご飯は軽めのトースト。ハムエッグ乗せ。
出かける前の妻は、暴君である。
繊細な心配りが求められる。
出かけるまで2時間以上は必須。
3時間はみておいた方が適当。
ホテル予約の確認は必須。
31日にうなぎが食べたいと思い、調査。
土鍋も欲しいのでどちらかの希望を叶えたいものだ。
10時半に出発。
京都駅に向かう。
東海道山陽本線で大津駅に向かう。
たった二駅に驚く。
電車の中で、この電車が当初の目的地の最寄駅である
『近江八幡駅』に直行することがわかり、
大津駅での下車をやめて
そのまま向かうことにする。
旅先での予定変更はしばしばあることだ。
臨機応変が肝要である。
ちなみに、大荷物はロッカーに預けるのが良い。
初日の観光目的地は、
『ラ コリーナ近江八幡』。
滋賀県の観光地として有名な
お菓子のアミューズメントパークである。
バウムクーへンが有名なのだ。
行き方を少し変えたおかげで早めの到着。
しかし、さすがは年末。
相当な混み具合。
ディナーを見越して少し早めのランチを決行。
生どら焼き、ホットドッグ、クロワッサン、コーヒー。
お土産用のバウムクーヘンを買おうとするが、長い行列。
妻と並べば辛くはない。
焼き立てバームクーヘンと焼き立てカステラなどを購入。
年末年始用のお菓子も購入。
やったぜ。
地方において、タクシーは停めるものではなく、呼ぶものだ。
お店の人にタクシー会社を尋ねたところ、
よく使うタクシー会社の電話番号を教えてもらったが、
その際に電話番号を書いてもらったメモがすごい。
鯛が刻印されたエンボスカードであった。
年末年始用のものなのだろう。
細かな点にまで気配りをする店である。
タクシーを呼び出し、近江八幡駅に戻る。
凄まじくおしゃべりなタクシー運転手だった。
マシンガントークとはこの事だろう。
およその10分間話が途切れないのだ。
駅のロッカーに預けたカートを取り出し、エスカレーターに向かう。
そこに面白いポスト。
有害図書を入れるための白いポスト。
ぜひ中を見てみたいものだ。
電車で『大津駅』へ。
山陽線はなかなかどうして座り心地が良い。
嵯峨野本線の新型といったところか。
ウトウトしているうちに大津駅に到着。
シャトルバスは行ったばかりらしく、タクシーを使役。
旅行では移動に時間をかけてはダメだ。
多少のお金を使っても迅速な移動が良い。
その方がストレスが低い。
旅先での散財は当然。
本日の宿泊先である『琵琶湖大津プリンスホテル』に到着。
良いホテルだ。
琵琶湖を一望できる部屋は素晴らしい。
今から夕食への期待が増す。
夕食は、ホテル最上階のフランス料理だ。
『フランス料理店 ボーセジュール』
近江牛ステーキディナーである。
奮発した。
時間は17時30分。
早い時間帯のため、まだ誰もいない。
貸切のようで気分が良い。
夜の琵琶湖はとにかく暗い。
光源がないのだから当たり前だが、まるでホテルの目の前に
地底の底にまで繋がるような大穴が空いているかのようだ。
吸い込まれそうだ。
ただ穴の淵沿いに街の光が広がっている光景を見ていると、
人の図太さや生活力を再確認できるようで、何だか無性に嬉しい。
妻との今年最後のディナー。
こんな私によくも付き合ってくれるものだ。
迷惑をかけていることはよくわかっている。
妻には感謝しかない。
ありがとう、妻。
それにしても、フランス料理は素晴らしい。
妻と一緒に行ったクレッセント以来、この料理には魅了されている。
もちろん毎日行くものではないが、
特別な日に、一年に数度でいいから妻と行きたいものだ。
コース料理の品数は少なめが良いようだ。
そういう年齢になってきたのだろう。
自重しなければならない。
夕食後にバーで一杯とも思ったが、コロナ禍で休業しているとのこと。
残念至極。
部屋に戻り食休み。
宿泊先で食べるとこれが楽だ。
買い物に行こうと、それなりに武装して妻とホテルの外に出るが、
琵琶湖の上を疾ってきた冬風の冷たさよ。
果たして、我らは外出を断念し、
ホテル内のコンビニの如き店に赴くのであった。
今晩用のお酒と明朝用のお水を買って部屋に帰還。
夕食のお酒が回ってきており、夫婦でうとうとを始め、早急にベットイン。
こういうと、何だかエッチな響きがあるものだ。
それにしてもダブルベットは良い。
妻の体温をより身近に感じることができる。
いつか自宅の寝室に取り入れたいものだ。
天使の寝顔をお約束できるだろう。
早く寝たためだろう。
深夜一時近くに目が覚める。
一瞬、ここがどこだか分からないという恐怖を覚えたが、
妻の体温を感じ、寝息を聞いて旅先のホテルであることを確認する。
妻の頬をつついた後、私はまた眠りに落ちた。
2021年12月31日 金曜日
朝7時に起床。
今年最後の日の出である。
シャワーを浴びるなどのルーチンワークをこなしてから、朝食の会場へ。
ホテルの朝食はバイキングと相場が決まっている。
最近はビュッフェというらしいが、
私の世代だとバイキングと言われた方がしっくりくる。
私は和食、妻は洋食。
朝ご飯を食べない人が多くいるというが、
ホテルの朝食会場ではそんな人は見たことがない。
おそらく、仕事や学校があるから、
ストレスなどで胃が緊縮しているのはないだろうか。
これから遊びとゆったり時間しかなければ人は普通に朝から食欲が湧く。
お腹を満たしてから、部屋に戻る。
窓の外は吹雪によって白いモヤに満たされていた。
起床したときはあんなにクリアだった視界がいつの間にか不良化している。
この日、滋賀県には大雪注意報が出ており、
予定を変更しても早急に京都へ戻らなければならないと思う。
妻と協議。
果たして、私たちは当初の予定を放棄し、
大津駅から京都駅へ戻ることになった。
とにかく京都駅に着いてしまえばこっちのものだ。
大雪に塗れようと、何とか帰宅できる。
設楽焼きに後ろ髪を引かれる思いがあったが、
家族の安全が第一である。
雪の中で立ち往生だけは勘弁してもらいたい。
平和な年越しをしたいのだ。
京都駅まではわずか二駅。
少しだけ電車が遅れたが、無事に到着。
京都市内では雪の気配は希薄だった。
駅の構内は凄い人の波である。
年末年始を京都で過ごそうとする人たちと
年末の買い出し部隊が混成して、
ここしばらく見ていない集団を生み出しているのだろう。
喫茶店の空き席を探すことさえ一苦労だった。
昼食のうなぎは13時半からだ。
予定を早めて京都駅に着いたため、どこかで時間を潰さなければならない。
我々はイオンに行くことを決めた。
細々と買い替えたい雑貨物等があるのだ。
混雑は覚悟の上である。
行ってみると、意外にもイオンは空いていた。
それより閉口したのは、
京都市に到着した雪雲によりもたらされた風雪である。
風が冷たく雪が痛い。
私が弾除けとなり、妻とイオンに向かったのだ。
先述したとおり、イオンはそれほど混雑していなかった。
スムーズに買い物を済ませると、
いよいよ鰻屋の予約時間が迫っている。
私と妻は、「The CUBE 京都駅ビル専門店街」へと向かう。
今年最後の昼食は、鰻だ。
私と妻は二人ともひつまぶしを頼んだ。
ビールと酒も欠かせない。
つまみはうざくと骨せんべいだ。
肝焼きも頼みたかったが、品切れとのこと。
残念無念。
やはりうなぎは美味い。
思ほわず顔が綻ぶ美味だ。
私は七代目の当主。
いまは全く権限がないものの、これからひとつ決めたことがある。
大晦日の昼は、家族で鰻を食べようと思う。
夜が蕎麦なのだから、それが良いと思う。
妻からは積極的な賛成も反対も無かったので、
私の案が自動的に採用されたものとみなそう。
食事を終えて、席を立つ。
後は帰宅するだけだ。
雪が本格的に降ってきた。
気を付けて帰宅しようと思う。
旅行記はこれで終わりだが、
この風習はこれからも残していきたいものだ。
余談だが、無事に帰宅すると、家の中が完全に冷え切っていた。
凄まじい寒さだ。
テレビのリモコンとパソコンのマウスの電池が
寒さのあまり使えなくなっていた。
ガスで湯を温め、暖房を数時間にわたり動かしても
まるで部屋の温度が上昇しない。
京都の冬の寒さに慣れるには、まだ時間がかかるようである。
ー了ー